文字 

新市民病院 施設規模6割に縮小 笠岡市計画、病室の3割個室化

笠岡市が建て替える市立市民病院

 笠岡市は、老朽化に伴い建て替える市立市民病院(同市笠岡)の基本計画をまとめた。現在の病床数や診療科目を維持した上で、施設規模を6割ほどに縮小して運営コストの削減を図るとともに、感染症対策として病室の3割を個室化する。2026年度中の開院を目指している。

 計画では敷地南側に隣接する土地を取得し、新病院棟を建設。現病院棟は小児科などが入る南棟のみを残して解体し、約100台収容の駐車場を設ける。南棟は事務部門を置く管理棟として活用。新病院棟の階数や構造は設計段階で検討する。

 新病院の延べ床面積は6630平方メートル。過去の病床数削減などで空きスペースがあった現病院(1万1569平方メートル)の約6割の規模になる。病床数は99床(一般病棟60床、療養病棟39床)、診療科目は全13科でともに現体制を継続する方針。

 新型コロナウイルス禍の教訓を踏まえ、現在1割ほどにとどまっている個室の比率は3割にする。患者とスタッフの動線を分けるレイアウトを取り入れるなど感染症対策を講じる。

 総事業費は計49億8千万円で、地方債の発行などで賄う。当初の想定では資材高騰などで70億円に達したが、既存棟の活用などで圧縮を図った。試算では開院6年目から単年度黒字を達成できるとしている。

 本年度中に設計作業に入り、25年度に着工予定。病院建設推進課は「資材高騰は続いており、今後も事業費の見直しを進める。タイトな日程だが、着実に計画を進めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年07月09日 更新)

タグ: 医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ