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岡山の結核患者 過去5年で最少 コロナ受診控え影響か 県健診訴え

 岡山県内で2022年に新たに結核と診断された患者は148人(前年比35人減)と過去5年で最も少なかった。県は新型コロナウイルス禍による受診控えで発見が遅れている可能性があるとして定期健診の重要性を訴える。30日まで「結核予防週間」―。

 県によると、コロナ禍前の18年は187人、19年は186人に上ったが、受診控えの傾向が強まるなどした20年は153人と急減。21年は183人と高水準だったが、症状が進んで受診する人が増えたためとみられる。

 22年の新規患者の年代は70歳以上が最多の101人(68・2%)。20代15人(10・1%)、60代11人(7・4%)、40代9人(6・1%)―と続いた。近年は外国籍の若者が目立っており、20、30代の9割近くを占めた。

 22年は減少に転じたが、県は今年以降の反動増や受診控えによる症状悪化、海外との往来回復による感染拡大を警戒。特に外国籍の患者は全国で増加傾向にあり、外国語のリーフレットを各保健所に置いたり、留学や就労の支援団体を通じて健康診断を促したりと啓発を強める。

 結核は結核菌による感染症。患者のせきやくしゃみで排出された菌が空気中を漂って感染が広がる。薬を飲めば治るが、発見が遅れると死亡することもある。22年は県内で32人が亡くなった。

 県健康推進課は「早期発見、早期治療が大切。定期健診とともに、たんが絡むせきや微熱が2週間以上続くなどの症状があるときは早めに受診してほしい」と呼びかけている。

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 広島県内では2022年に195人(前年比44人減)が新たに結核と診断された。死者は35人だった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年09月28日 更新)

タグ: 肺・気管感染症

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