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人工筋肉内蔵センサー研究 岡山理科大赤木准教授ら

赤木准教授

赤木准教授らが研究している内蔵型センサーを付けた基板(下)。人工筋肉(上の2本)は空気を入れると太く、短くなる

 岡山理科大工学部の赤木徹也准教授(ロボット工学)らが、介護用の補助装具などに使う人工筋肉に内蔵できる小型センサーの研究を進めている。外付け式より安価で、水中でも人工筋を動かせるのが特長。温浴による体の不自由な人のリハビリなどで活用が期待される。

 赤木准教授が2009年から研究しているゴム製人工筋は、内部に空気を送り込むと、直径が太くなり全長が縮む。センサーはこの動作を高精度で安全に制御するために不可欠な部品。これまでの実験で、人工筋に内蔵させた小型光センサーが内径(10ミリ)の変化を感知し、縮み具合を正確に把握できるようになった。

 長さ10〜25センチの管の内側にセンサー(縦横3ミリ、厚さ1ミリ)を2〜4個取り付けた細長い基板(長さ45ミリ、幅9ミリ)を設置し、小型コンピューターで制御。センサーが測定したデータと、実際の人工筋の長さや曲がり具合との誤差を1%以下まで下げた。

 研究中のセンサーは一式数千円と低価格な上、外付け式より防水加工もしやすい。手足のまひや関節のこわばりの改善など、温水中で行われるリハビリへの使用が可能という。

 今後は医療、リハビリ機器として国の承認に向け、安全性と精度を高める。今年は手始めに、脚や腕など人体の一部を再現した模型や、学生の足首を動かす装具で実験を進める。赤木准教授は「温水中のリハビリは効果が高く、ニーズは多いはず。他の研究機関や介護用品メーカーなど提携先を募り、実用化につなげたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年01月31日 更新)

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