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ネット通じ患者情報を共有 岡山県内医療機関で運用開始

 岡山県内の医療機関が電子カルテなどの患者情報をインターネットを通じて共有化する「医療ネットワーク岡山」(愛称・晴れやかネット)の運用が31日、始まった。病院で手術や専門的な治療を終えた患者を地域の医療機関が受け入れる際などのスムーズな連携に生かすのが狙いで、全県規模での情報網構築は全国的に珍しいという。

 県、県病院協会、県医師会でつくる「医療ネットワーク岡山協議会」が運営する。情報を提供する側の病院が、患者の同意を得て医師・看護記録や検査結果、CT画像などを開示。閲覧を希望する医療機関がポータルサーバーにアクセスして情報を得る。

 開示側は岡山大病院(岡山市北区鹿田町)と倉敷中央病院(倉敷市美和)の2病院、閲覧側は岡山、倉敷市などの10病院・診療所でスタート。この日、倉敷中央病院では同市内の診療所から依頼があった患者3人の検査記録などを開示した。2013年度中に開示側50病院、閲覧側250施設の参加を目指す。

 同ネットは従来の紹介状などでの連携に比べ医療機関の手間が省ける上、短時間で詳しい患者情報が得られるのがメリット。患者にとっては受け入れ先の医療機関での質の高いケアや在宅医療の推進にもつながるという。

 同協議会は今後、医師以外に看護師や薬剤師、介護事業所職員らも情報が得られる、より幅広い連携も検討する。小出尚志会長(県病院協会会長)は「地域医療の質を上げていくために、さまざまな活用策を探っていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年02月01日 更新)

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