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PM2.5、怖がりすぎず対策を 県環境保健センター所長に聞く

「冷静な対策を」と呼び掛ける岸本所長

 偏西風に乗って中国から飛来したとみられる微小粒子状物質「PM2・5」の問題は、県民にとっても人ごとではない。県への問い合わせは1月以降相次ぎ、観測データを公表する県のホームページへのアクセスも連日千件前後に上るなど関心の高さをうかがわせる。健康への影響や自衛策について県環境保健センターの岸本寿男所長に聞いた。

 ―PM2・5とは。

 車の排ガスや工場のばい煙などに含まれる直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質。国は安全なレベルとして「1立方メートル当たり年平均で15マイクログラム以下かつ1日平均35マイクログラム以下」との環境基準を設けている。

 ―県内の測定局でも濃度が上昇している。健康への不安の声を聞くが。

 肺の奥まで侵入しやすいとされ、濃度が上がると肺や心臓に持病のある人は息苦しくなったり、血圧が上がったりすることがある。高い濃度の中で何年も生活すると、健康な人もぜんそくや肺がんのリスクが上がるという研究もある。ただ、県内は今のところ特別危険な状況ではない。

 ―国は2月27日、従来の基準の2倍を超えると予測される日に、自治体が住民に外出自粛を呼び掛ける新たな指針を決定。今月5日には熊本県が初の注意喚起を行った。

 これは健康な人でも影響が出る可能性がある水準。持病のある人やお年寄り、子どもらはより慎重な警戒が必要だ。

 ―県の対策は。

 県では2月18日から、1時間ごとの値や1日の平均値をホームページで公開している。国の新指針を受け、今後、測定地点を増やすことも検討する。

 ―個人で注意することは。

 偏西風が強く、晴れた日が要注意。新指針を超える日は、外出や屋内の換気を控える。マスクや空気清浄器の効果は製品によって異なるのでよく検討して。怖がり過ぎず適切な対策に努めてほしい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年03月07日 更新)

タグ: 健康肺・気管

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