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親亡き後の自立へ不安 岡山県自閉症協会、発達障害者ら調査

 自閉症の子どもの親でつくるNPO法人岡山県自閉症協会(岡山市北区南方)と県が初めて実施した調査で、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害のある人や家族らの半数以上が、親が亡くなった後の自立や財産管理に大きな不安を抱えていることが分かった。特に知的障害がある人とその家族では約9割に上った。

 発達障害がある人たちが望む支援策を探ろうと、2011年に実施した。「日常生活で困っていること」などの質問を載せた用紙を会員家族や本人ら500人に配布。285人が、17項目に選択制(複数回答可)で答えた。要望の違いを把握するため、知的障害のある人とその家族のA群(106人)と、知的障害のない人のB群(179人)に分けて集計した。

 「現在困っていること」の質問では、「親亡き後や老後が不安」を選んだ人がA群88・7%、B群63・1%に上った。「財産管理が不安」が(A群46・2%、B群32・4%)と続き、「単独で経済的、精神的に自立した生活を送ることに危機感を持っている」(同協会)ことが浮き彫りになった。

 求める支援についてはA、B群で大きな違いがみられた。A群は障害に応じたグループホームなど住居の確保(67・0%)がトップ。ライフステージに応じた切れ目ない個別支援の充実(64・2%)、本人に代わって財産管理する成年後見制度の充実(62・3%)が続く。

 一方、B群は学校卒業後の就労支援の充実(67・6%)や雇用の拡大(65・9%)といった社会進出を後押しする要望が中心だった。

 石原秀郎理事長は「障害に応じたきめ細かな支援が必要だと再認識した。行政との連携を強化し、施策の実現につなげたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年04月19日 更新)

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