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乳幼児医療費公費負担 「就学前まで拡大」増加  岡山県内29市町村 県制度改正に歩調

岡山県が10月から補助対象を拡大する乳幼児医療費。対応は各市町村でまちまち=岡山市内の病院

 岡山県内二十九市町村の本年度からの乳幼児医療費公費負担制度の内容が、十九日までにまとまった。県が十月に通院の補助対象年齢を就学前(現在は三歳未満)まで拡大するため、県制度に歩調を合わせる動きが広がっている。独自の対象年齢引き上げでは、美作市、勝央町など五市町村が実施している中学校卒業までが最高。県が求める利用者の自己負担は赤磐市が導入する。

 県は十月から、通院の対象年齢を就学前までとする。一方、三歳未満は〇・四割、三歳以上は一割の利用者負担を求める。市町村に対する補助率も四月から引き下げた。

 県の制度改正などに伴い、本年度から通院の際の対象年齢を引き上げる市町村が増加。五歳未満だった倉敷、瀬戸内市、六歳未満だった津山、笠岡、備前市が、いずれも四月から就学前までに引き上げた。岡山市は現行四歳未満を十月から就学前にする。早島町(六歳未満)、玉野市(五歳未満)もすべて就学前にすることを検討中だ。

 県内市町村のほとんどが、県制度より対象年齢を引き上げて医療費を独自補助しており、県補助が就学前まで引き上げられれば、多くの自治体は負担減になる。このため、対象年齢をさらに引き上げる自治体があるほか、二十八市町村は、利用者の自己負担分を独自に支援し、完全無料化を継続する。

 十月から対象を小学三年生まで引き上げる高梁市は「以前から検討していたが、県の見直しで対象が広がり、一般財源の持ち出しが抑制できるため拡大に踏み切れた」(健康増進課)と言う。

 一方、県内で唯一自己負担を導入する赤磐市は、十月から対象を小学三年生までに拡大するが、県制度に合わせて利用者負担を求める。就学前まで無料の現状と比べ、小学一―三年生の負担額は減るが、就学前の乳幼児は負担増となる。

 同市保健福祉課は「市民の理解を得るのは大変だと思うが、財政難の中で、持続できる制度にするために決断した」と説明する。

 完全無料化を維持するとした市町村の中にも、先々の財政状況を不安視するところが多く、今後、制度の見直しを迫られる市町村が出てくる可能性もありそうだ。

 香川県は、全十七市町が六歳未満まで無料。広島県は就学前まで補助しているが、一医療機関につき一日五百円の自己負担(月額上限は通院二千円)を求める。庄原など五市町が独自制度で完全無料化を実現している。


岡山県内29市町村の乳幼児医療費補助対象

美作市   中学校卒業
和気町     〃
新庄村     〃
勝央町     〃
美咲町     〃
真庭市   小学校卒業
久米南町    〃
奈義町   入院小学校卒業、通院就学前
浅口市   10歳未満
里庄町   7歳未満
総社市   小学1年生
倉敷市   就学前
津山市     〃
笠岡市     〃
井原市     〃
高梁市     〃(10月から小学3年生)
新見市     〃
備前市     〃
瀬戸内市    〃
赤磐市     〃(10月から小学3年生)
建部町     〃
瀬戸町     〃
矢掛町     〃
鏡野町     〃
西粟倉村    〃
吉備中央町   〃
早島町   入院就学前、通院6歳未満
玉野市   入院就学前、通院5歳未満
岡山市   4歳未満(10月から就学前)

岡山市は旧市町間で対象に格差が残る。赤磐市は10月から自己負担を求める


ズーム

 乳幼児医療費 国の医療保険では3歳未満は2割、3歳以上は3割の利用者負担が必要。岡山県の制度は、利用者負担軽減のため、市町村とともに利用者負担分の8割を補助する。県は対象年齢を現在の3歳未満から就学前までに拡大する一方、市町村への補助率は最高6分の5から、6分の4に引き下げた。最低は5分の1のまま。現在は全29市町村が、残る利用者負担部分を県制度に上乗せして独自補助しており、各市町村が定める対象年齢まで医療費は完全無料となっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年04月20日 更新)

タグ: 子供医療・話題

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