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医療福祉向上へ「知の拠点」 旭川荘に総合研究所、8月オープン

建設が進む旭川荘の「総合研究所」

 旭川荘(岡山市北区祇園)が今夏、高齢者や心身障害児者の医療福祉などに関する「総合研究所」を開設する。同荘が半世紀余にわたり国内外で蓄積してきた研究機能を集約させ、地域医療福祉のさらなる向上のための「知の拠点」とする。

 旭川荘は創設2年後の1959年、医療福祉研究部門を設立。職員や医師、看護師らが介護や医療、機能回復などの研究に取り組み、毎年独自の学会を開いて成果を発表、研究年報として論文にまとめてきた。

 一方、96年には中国や韓国、マレーシアなどアジア各国の福祉の歴史や現状を研究するアジア福祉文化部門も立ち上げた。現地視察や文献調査を通じ、児童福祉の課題を探るとともに、旭川荘の持つ知識、ノウハウを伝えてきたという。

 総合研究所は両部門を改組、統合して各研究者たちの活動拠点とする。中山間エリアの地域振興や住民の満足度と、医療福祉の充実との関連性など研究分野も拡大させる方針。

 研究所は同荘北東部の知的障害者グループホーム「あかしや園」近くに建設し、木造平屋約180平方メートル。研究員室6室や会議室を設ける。建設費は約6千万円で8月オープンを目指す。

 同荘の末光茂理事長は「研究活動の拠点ができることで、総合的な研究の幅の広がりと深化を期待している」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月04日 更新)

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