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緩和ケア希望患者の手帳作成 在宅用、県がん診療協

県がん診療連携協議会が作った「わたしのカルテ」

 岡山県内のがん診療連携拠点病院などでつくる「県がん診療連携協議会」は、在宅緩和ケアを希望する患者のための手帳「わたしのカルテ」を作った。治療情報以外にも、本人が病気の告知や延命治療を希望するかどうかなど書き込むもので、同協議会は「最期までよりよく生きるための一助にしてほしい」としている。

 県内では5大がん(肺、大腸、胃、肝臓、乳)について、専門病院とかかりつけ医療機関が病状などを情報共有する連携パスを既に作っているが、緩和ケアに重点を置いたものは初めて。1500部を作り、拠点病院などに配布した。

 カルテには患者が病気の経過などを載せる「わたしのプロフィール」のほか、「わたしが大切にしていること」として詳しい病状の説明を望むかどうか、心臓マッサージと人工呼吸をどうするかなどを記す欄を設けた。患者の気持ちが変化することもあるため、3ページ分を用意した。

 このほか、がんの症状別に対処方法を記載。痛みがある時にするマッサージや息苦しさを緩和する呼吸法、吐き気がある際の食事の工夫やにおいへの気配りなど医療現場で実際に行われているケアを具体的に載せている。

 同協議会では、患者団体代表も含めた約30人の作業部会が昨年9月から内容を検討。わたしのカルテ以外にも、医療機関、介護関係者が情報共有のために使う在宅緩和ケアパスも作っている。

 作業部会の座長を務めた木村秀幸・前岡山済生会総合病院副院長は「患者がどう病気と向き合い、どういう生き方を選択するか結論が出なくても書きながら考えることが大切。患者本人、家族にとって最善となるケアにつなげたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月26日 更新)

タグ: がん医療・話題

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