文字 

命の選択、議論必要 出生前診断へ理解を 岡山大で生命倫理考える公開シンポ

新しい出生前診断について理解を深めたシンポジウム

 新しい出生前診断への理解を深める公開シンポジウム(岡山大大学院保健学研究科主催)が5日、岡山市北区鹿田町の同大鹿田キャンパスで開かれ、県内外の産科医や看護師、助産師ら約120人が生命倫理について考えた。

 実施施設の国立病院機構九州医療センター(福岡市)の小川昌宣・産科医長が6月末までに数十例を行ったことを報告。「(検査の精度などを説明する)遺伝カウンセリングは希望者との信頼関係を築きながら、診断やダウン症を正しく理解してもらえるよう努めている。陽性となった場合、妊婦の選択に関わらず精神的なケアは必要だ」と述べた。

 日本ダウン症協会岡山支部の上地玲子支部長は、ダウン症の長女の出産や育児について紹介。「障害のある子どものいる親が次の子どもを授かった時、周りの人間から検査を受けるようプレッシャーがかかることもある。遺伝カウンセリングは丁寧に行うべき」と要望した。

 その上で、日本では胎児の障害を理由にした中絶は認められていないことに言及。「望んで授かったはずが、実際は障害を理由に命を選択する場合もあり、今後さらに議論を深めるべきだ」と述べた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月06日 更新)

タグ: 女性子供医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ