文字 

災害時の救命措置や手当て学ぶ 山陽学園大生がサークル

訓練で重傷者を搬送するPEBEWSのメンバーと丹下助教(左から2人目)=24日、山陽学園大

 山陽学園大(岡山市中区平井)の学生たちが、災害時の救命措置や応急手当てなどについて学ぶサークル「PEBEWS(ペビウス)」を設立した。自動体外式除細動器(AED)の使い方や担架での搬送方法などを学んでいるほか、地域の避難訓練で経験を積み、緊急時に活躍できる人材を目指している。

 きっかけは、指導する丹下幸子看護学部助教(49)の“挫折”体験。1995年の阪神大震災の際、岡山市内の病院から看護師として救援活動に加わったが、想像以上の被災状況や負傷者数、物資不足などで活動は困難を極めた。個人の力だけではどうにもならないことも多く、人材育成の必要性を痛感した。

 昨年4月、同大に勤務してから「被災現場で役に立つ学生を育てたい」という思いが強くなった。高校時代からボランティア経験豊富な2年柏美穂さん(20)に声を掛け、同学部の1、2年女子5人で今年7月にサークルを設立。サークル名はマザー・テレサの言葉「Peace begins with a smile(平和は笑顔から始まる)」から取った。

 現在は同短大食物栄養学科生も参加し、1、2年の男女約30人が活動。週1回、丹下助教らの手ほどきで、包帯の巻き方といった基礎から負傷の程度によって治療の優先順位を決めるトリアージまでを学んでいる。

 24日は同大と災害時連携協定を結ぶ平井学区連合町内会が台風による増水に備え、同大体育館などで実施した避難訓練に参加。トリアージや担架での重傷者搬送に取り組んだ。

 柏さんは「万一の時、スムーズに実践できるよう訓練を重ねたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年11月27日 更新)

タグ: 医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ