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生殖補助医療技術者を育成 岡山大がセンター開設

 岡山大(岡山市北区津島中)は、不妊治療の体外受精や顕微授精などで、精子と卵子を結び付ける「胚培養士」や「臨床エンブリオロジスト」といった生殖補助医療技術者の育成とキャリアアップ教育に取り組む「生殖補助医療技術教育研究センター」を開設した。

 兼任の教授3人と専任助教2人を配置したほか、日本臨床エンブリオロジスト学会理事長で、三宅医院(同市南区大福)生殖医療センターの沖津摂室長が特任教授に就任。国内でトップ級の医師や技術者を招き、生殖医療の実演を含むセミナーを開くほか、不妊治療の最先端技術の研究にも取り組む。

 晩婚化などで国内の夫婦7組のうち1組が不妊とされる中、優れた胚培養士らを育てようと、同大は2012年度、農学部生を対象に特別コースを開設。13年度には医学部生にも対象に広げ、「生殖補助医療学」「基礎遺伝学」「医療機関での実習」など計14講義を実施。現在、両学部の34人が履修している。

 一方、日本生殖医学会は11月15日、将来の妊娠に備え、健康な未婚女性が卵子を凍結保存することを認める指針を正式決定。その広がりが予想される中、現場で凍結保存にも関わる生殖補助医療技術者の役割も増大。学生教育だけではなく、国内に千人弱ほどいる現職の技能向上に寄与しようと、同センターの開設が決まった。

 同センター長の奥田潔農学部長は「胚培養士らは関連学会が認定しており、国家資格ではないが、ニーズは今後高まる。国家資格化という将来を見据え、高度で体系的な教育システムを構築したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年12月06日 更新)

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