文字 

「特区」の介護機器(下) おだやかタイム

離れていても要介護者の状態を確認できる「おだやかタイム」。手前は心拍数などを表示するタブレット端末

 「介護のため、家から出られない」―。寝たきりの高齢者らを支える家族には共通する悩みだろう。そんな負担感を和らげるのが、パソコンなどで要介護者の状態を確認できる遠隔見守りシステム「おだやかタイム」だ。

 厚さ約2センチのエアマット(縦45センチ、横75センチ)を布団の下に敷き、高感度センサーを内蔵したコントロールボックスと接続。マット内の空気の振動をセンサーが分析し、横になっている要介護者の心拍数や呼吸数などを24時間計測する。データはコントロールボックスを経由してインターネット上で管理される。

 「いつでも、どこでも要介護者の状態を把握できる」とメーカー担当者。スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末でも常にデータを把握できる。

 通知機能にも特徴がある。要介護者が離床して一定の時間がたつと「徘徊(はいかい)」、連続してマットをたたくと「異常」を最大5人にメールで知らせる。近所の親戚や訪問サービスの事業者に登録してもらえば緊急時に対応しやすく、1人で介護を背負い込まなくて済む。

 厚生労働省の2010年調査では、自宅で介護する人の22・8%は1日のうち「ほぼ終日」を介護に費やすと回答。見守りの負担軽減は大きな課題だ。

 システムは12年5月に製品化され、愛知、千葉県の施設に導入済み。岡山市での貸与料は月額1869円(税込み)。

 -------------------------------------------

 おだやかタイムの貸し出し対象は、介護保険で要介護1〜5の認定を受け、自宅で生活する市民。メーカー側と直接契約し、最長で2015年3月末まで借りられる。問い合わせは岡山リハビリ機器販売(北区大学町、086-232―6610)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年01月12日 更新)

タグ: 介護医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ