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看護現場辞めたいと思った67% 岡山県医労連実態調査      

 岡山県医療労働組合連合会は、加盟する21医療機関の看護師らを対象に行った労働実態調査の結果をまとめた。人手不足を背景に残業が常態化し、慢性的な疲労を感じている人、仕事を辞めたいと思ったことがある人は、いずれも約3分の2に上っている。同連合会は「看護の現場は人手不足が過労につながり、過労から離職者が増える悪循環に陥っている」と指摘している。

 残業をしている人は80%に上り、うち半数近く(48・6%)がサービス残業を強いられていた。「疲れが翌日に残ることが多い」と答えたのが46・2%、「休日でも回復せず、いつも疲れている」としたのが18・5%。計64・7%が慢性的な疲労を抱えている。

 「(仕事の)強いストレスがある」との回答は57・1%。その要因(複数回答)は「仕事の量」(42%)「職場の人間関係」(36・7%)「仕事の質」(33・8%)が上位を占めた。

 さらに、36・5%が健康状態を「不調」、59%が「薬を常用している」と回答した。

 こうした中、患者への十分な看護が提供できているかどうかでは50・2%が「できていない」とした。要因(複数回答)は「人員が少なく業務が過密」(70%)「自分の能力や技量の不足」(48・2%)「看護以外の業務が多すぎる」(37%)―など。

 また、83・7%がこの3年間にミスやニアミスをしたことが「ある」と答え、73・6%が要因(複数回答)に「慢性的な人手不足による医療現場の忙しさ」を挙げた。

 一方、看護の仕事のやりがいについては12・8%が「強く感じる」、59%が「少し感じる」とした。しかし、「仕事を辞めたい」と思うかどうかでは「いつも思う」が17・2%、「ときどき思う」が50・2%で、辞めたいと思ったことがある人は67・4%に上った。

 県が2010年にまとめた看護職員の需給見通しでは、12年は2万5939人が必要とされたが、実際の供給数は2万4839人で1100人が不足。同連合会の福田幸恵執行委員長は「人手不足が看護の質の低下、ミスの増加につながっている。労働環境の改善を訴えていきたい」と話している。

 調査は昨年9―11月、看護師、准看護師、助産師ら約2千人に実施。658人から回答があった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年04月09日 更新)

タグ: 医療・話題

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