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「優良」認定の病院が増加 岡山県内の3割に 日本医療機能評価機構が審査 小規模施設受審が課題

 厚生労働省などが出資する財団法人・日本医療機能評価機構から、「医療・看護の質が高い“優良病院”」との認定を受ける医療施設が岡山県内で増えている。県内の全182病院のうち、認定を受けたのは3割近い51。県は、本年度策定した保健医療計画で2010年度までに半数の90施設の認定を目標に掲げており、医療機関に協力を求めていく考えだ。

 認定制度は一九九七年スタート。患者へのインフォームドコンセント(十分な説明と同意)やプライバシー確保への取り組み、施設の充実度などを書面と訪問調査で審査する。医療は外部監視が届きにくいとされるが、専門家による第三者評価を受けることで、サービス改善につなげてもらうのが目的。

 県内では同年、岡村一心堂病院(岡山市)と倉敷中央病院(倉敷市)が初めて認定を受けた。今年二月末現在、審査を受けた病院の割合(受審率)は32・07%(全国平均27・96%)に上る。

 一回で認定される割合は三割程度といわれるが、再受審によって認定率は八割以上に向上するという。県病院協会は〇三年から毎年講習会を開き、受審を促している。

 しかし、現状は病床数によって認定率に大きな開きがあり、規模の小さい施設の受審促進が課題となっている。

 百床未満の施設は県内の全施設の半数近い八十二を占めるが、認定はわずか九施設。百~百九十九床の施設は五十六のうち二十施設、二百~二百九十九床は二十三のうち七施設にとどまる。一方、三百~四百九十九床は七のうち四施設、五百床以上は十四のうち十一施設が認定されている。

 個人や医療法人、自治体が開設している施設は認定率が低く、県内に二十ある公立病院で認定を受けたのは玉野、児島、岡山、井原の四施設しかない。

 同機構は「施設やスタッフ数が十分でないことなどが、中小施設の受審率低迷の一因では」と推測。「ハード、ソフト両面で評価するため、病院の規模によって認定が左右されることはない」とする。

 県施設指導課は五月から、認定施設を県のホームページで公表。「認定は、病院挙げて患者本位の医療を目指していることの客観的な証明ともなる。審査を受けてもらうよう個々の施設に要望していく」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年06月16日 更新)

タグ: 医療・話題

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