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蚊退治の殺虫剤売り上げ増 デング熱影響か、県内ドラッグストア

県内のドラッグストアでは9月になっても虫よけスプレーなどの売れ行きが好調=岡山市北区大元、ザグザグ大元店

 8月下旬以降、東京都など首都圏で感染者が相次いでいるデング熱。蚊を介した感染を心配してか、9月に入っても岡山県内のドラッグストアで蚊を退治する殺虫剤や虫よけスプレーなどの売り上げが伸びている。例年は売れ行きが鈍る時期だが、前年同期の5倍を超える店もあり、各店担当者は「極めて異例」と口をそろえている。

 デング熱は蚊の一種ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介するウイルスによる熱病。人から人に直接は感染しない。県内での感染は確認されていないが、東京・代々木公園に立ち寄った倉敷市出身の男性の感染が、帰省中に判明した事例があった。

 約70年ぶりに国内感染者が確認され、9月になっても増え続ける中、殺虫剤や虫よけスプレーなどの需要が拡大。西日本でドラッグストア124店舗を展開するザグザグ(本社・岡山市)では売り上げが前年同期に比べ約2倍で推移しているという。

 約30種類の関連商品が並んでいる大元店(同市北区大元)を訪れた女性(75)は「感染の報道を知り心配になった。庭の草むしりの前に虫よけスプレーを使いたい」と陳列棚を物色。店長代理の杉本憲昭さん(32)は「デング熱そのものについての問い合わせはないが、虫よけ商品の場所を尋ねられる機会は増えた」とする。

 金光薬品(本社・倉敷市)は倉敷市の店舗を中心に前年同期比500―600%の売り上げで、担当者は「地元出身者の感染もあって気にする人が多いのでは」と分析。野球など野外スポーツをしている子どもの親がまとめ買いするケースもあるという。ラブドラッグス(本社・岡山市)のドラッグストア「くすりのラブ」も殺虫剤などが約50%増。

 厚生労働省などによると、蚊は越冬して生息することができないため、感染は一過性の可能性がある。ザグザグ大元店店長代理の杉本さんは「もう少し涼しくなれば、殺虫剤などの売れ行きは例年の水準に戻るのではないか」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年09月12日 更新)

タグ: 健康医療・話題感染症

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