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新岡山市民病院の松本健五院長に聞く 患者を適切に振り分け

新市民病院の役割を語る松本氏

 岡山市立総合医療センター理事長で市民病院長の松本健五氏(63)に、5月に開院する新病院の役割や目指す姿を聞いた。

 ―新しい市民病院は救急医療を柱の一つに据えている。

 公立病院として市民の命と健康を守る役割を果たす必要があるためだ。現在の市民病院と比べると10倍近く広くなる救急外来、新設する医療機器を活用し、これまで取り組んできた「いつでも誰でも受け入れる救急医療」をさらに推し進める。

 ―市内には救急外来のある総合病院が複数存在する。

 受け入れた救急患者を当院で治療するだけでなく、重症者は高度な医療機能を持つ病院へ、軽症者は地域の「かかりつけ医」へとコーディネートする。市内では現在、高度な医療機能を持つ病院が軽症者への対応に追われ、本来の力を発揮し切れていない状況がある。市民病院の「岡山ER」が患者を適切に振り分けることで、他病院の負担を減らすことができる。

 ―市立総合医療センターの中期計画では、人材育成に力を入れることも明記した。

 救急を専門とする医師は全国でも多くない。当院は市と岡山大の協定に基づき、救急医療の現場に学生や研修医を受け入れている。岡山で救急医療に携わりたいと思う医師が将来的に一人でも増えればと願っている。

 ―在宅の医療や介護に関する総合相談窓口を置く狙いは。

 退院後の医療や介護に不安を持つ人は多い。ワンストップで相談に応じ、診療から介護まで切れ目のないサービス提供につなげる。市民病院の患者だけでなく、誰でも利用できる窓口なので気軽に訪れてほしい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年01月05日 更新)

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