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在宅看護充実へ意欲 岡山の赤瀬さん、起業家講座修了

「利用者とスタッフが晴れやかになるセンターを目指したい」と話す赤瀬さん

 高齢者らの在宅ケアを支える訪問看護師の充実に向け、日本財団(東京都港区)が本年度開講した在宅看護センター起業家育成講座で、岡山市南区の看護師赤瀬佳代さん(37)が第1期修了生となった。6月に同市内での開業を目指す。

 同財団によると、高齢者医療が施設から在宅へとニーズが移行する一方で、全国約150万人の看護師のうち訪問看護従事者は3万人に満たないといい、講座修了生を軸に担い手を育成。今後5年間で全国200カ所にセンターを立ち上げ、入退院の相談や健康管理などプライマリーケア(初期医療)を受け持つほか、医療施設や地域包括支援センターとのネットワーク構築を図る計画という。

 赤瀬さんはこれまで、都内のがん治療専門病院や、かとう内科並木通り診療所(岡山市南区並木町)に勤務。「医療と患者の生活という、両方の視点を持った看護師が病院と在宅をつなぐ役割を担うべき」と起業を決意した。

 昨年6月に始まった育成講座は、福島や兵庫、福岡県などから計17人が受講。赤瀬さんは都内に移り住み、病院での実習のほか、組織運営や経営などマーケティングを学んだ。今後は岡山に戻り、同財団のサポートを受けながら開業準備に入る。

 赤瀬さんは「まちの看護師として、地域住民の相談に乗りたい。他の事業所と連携して、みとりや医療依存度の高い患者のケアにも対応し、高齢者らが望む在宅療養を実現させたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年01月31日 更新)

タグ: 介護高齢者医療・話題

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