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希少・難治性疾患患者ら連携を 28日に岡山で交流会

難病・希少疾患の患者交流会への参加を呼びかけている難病総合支援ネットの中嶋嘉靖さん

 2月最終日は世界希少・難治性疾患の日(レア・ディジーズ・デイ=RDD)。治療法開発や患者の生活の質向上を目指す運動に呼応し、岡山でも28日、県南部健康づくりセンター(岡山市北区平田)で患者と家族、支援者らによる交流会が開かれる。日本では難病医療制度を抜本的に変える新法が1月に施行されており、県の担当者による新制度の説明もある。

 同病者が少なく、孤立しがちな難病患者・家族のネットワークづくりに取り組む難病総合支援ネットワーク(同矢坂東町)が主催。新しい難病医療法によって指定された110の難病や小児慢性特定疾病の患者・家族に限らず、診断がつかなかったり、血液がんなど治療に困難の伴う病気に苦しむ人たちの参加を広く募っている。

 同ネットの代表中嶋嘉靖さん(50)自身も指定難病の肥大型心筋症で除細動器の埋め込み手術を受け、診断困難なミオパチー(筋肉疾患)を抱える患者。医療費や社会保障について知ろうと情報を求めるうち、身近にさまざまな難病患者がいることを知り、2012年にネットを立ち上げた。

 RDDは08年にスウェーデンから始まった国際運動。日本でも10年からイベントが開催され、今年は岡山を含む全国24地域で患者のメッセージ発表や、パネル展示など啓発の取り組みが予定されている。

 岡山では、中嶋さんや日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会県支部など患者側の状況報告があり、県医薬安全課の担当者が新制度を説明する。難病の子どもたちに学習の機会を提供する「ポケットサポート」の代表、ピアノ演奏の夢の実現と仕事を両立させている障がい者、来館が困難な子どもたちを援助する岡山市立中央図書館の司書、障害年金手続きに詳しい社会保険労務士ら、支援者側からの話題提供もある。

 中嶋さんは「難病・希少疾患の患者や家族はなかなか最初の一歩が踏み出せない。岡山にもこういう活動があることを知ってもらいたい」と参加を呼びかけている。

 午後1時から5時まで。参加無料。RDD活動への寄付を募り、500円以上の募金者にはピンバッジを贈る。問い合わせは難病総合支援ネット(086―255―1937)。

 【難病医療法】 従来の特定疾患の患者に対する医療費助成を法律に基づいた恒久的な制度とする新法。1月1日から施行され、対象は特定疾患の56疾患から110の指定難病に拡大された。さらに今夏ごろに約300疾患まで増やす計画で検討が進められている。既認定患者は軽症者の一部が助成対象から外れたり、所得階層によっては自己負担が増額される。県内の助成受給者は約1万4000人(11年度)から新制度で約2万8000人に増えると試算されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年02月24日 更新)

タグ: 医療・話題

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