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吉備国大に地域医療福祉センター 看護や介護レベル向上

腕だけのシミュレーション人形を使って注射や点滴の技術を学ぶ学生たち

介護分野を学ぶ生活支援技術コーナー

乳幼児などさまざまなタイプのシミュレーション人形が並ぶ救急対応のトレーニングコーナー

 吉備国際大は、看護や介護分野を目指したり、従事している人が現場での対応を訓練できる「地域医療福祉センター」を高梁市伊賀町のキャンパス内に開所した。学生に加え、地元の病院、福祉施設などにも利用を呼び掛け、地域の医療レベル向上を目指す。

 14号館2階にあった図書館スペースを改築。患者の容態急変など即時対応が必要なケースを学ぶ「救急対応」、注射器の取り扱いや正確な採血技術を身に付ける「注射・点滴」といった看護分野と、介護分野の「生活支援技術」の三つのトレーニングコーナーを設けた。

 各コーナーには、さまざまな症例に合わせて心拍数や肌の色が変わったり、苦痛の声を上げたりするシミュレーション人形計26体を配置。全身タイプや腕だけのもの、乳幼児モデルなどがあり、呼吸音・心音の聴取▽心電図の読み取り▽気管挿管▽皮下・筋肉注射▽点滴の取り扱い▽心肺蘇生▽チューブを使った排尿や胃への流動食投与―などが訓練できる。

 学生、地域で働く看護師・介護士の実習や、結婚、出産などで現場を離れた有資格者の復帰訓練などで活用する。慢性的な人手不足の解消に向け、職業への理解を深めてもらおうと小中学生の体験学習も受け入れる。

 総事業費は約3千万円で、一部に国の補助金を充てた。3月22日には完成式典があり、加計美也子理事長や近藤隆則市長ら4人がテープカットし、施設を見学した。

 加計理事長は「高齢化が急速に進む中、医療福祉の従事者にはより実践的な技量が必要。地域医療のレベル向上の中心的施設として運用していきたい」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年04月03日 更新)

タグ: 介護福祉医療・話題

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