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MERS警戒強化 岡山県内の保健所・病院

岡山空港の検疫ブースに掲示されたMERSへの注意を呼び掛けるポスター

 韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスによる死者が確認され、感染拡大が懸念される中、岡山県内の関係機関が警戒を強めている。感染の疑いのある患者が発生した場合の手順を示した4日の厚生労働省通知を受け、保健所や病院などはそれぞれ対応を確認。検疫所もウイルス侵入を防ぐ水際対策を始めている。

 MERSは2012年以降、主に中東地域で患者が確認された。発熱や呼吸困難、腎不全を引き起こし、重症化することもある。ワクチンや治療法はなく、患者は隔離病棟に入院して回復を待つ。国内では症例がない。

 県や厚労省通知によると、発症前14日以内に中東地域などに滞在し、38度以上の発熱や肺炎を発症するといった感染の疑いがある患者は、保健所に相談し指定医療機関(岡山市立市民、倉敷中央、津山中央の3病院)で受診。検体は検査機関の県環境保健センター(岡山市南区内尾)でウイルスの遺伝子検査を行う。陽性であれば国立感染症研究所(東京)で詳しく調べ、確定段階で国や県が公表する。

 今月1日、韓国で初めて感染者の死亡が確認されて以降、県は一連の対応策を関係機関へ通知。保健所と指定医療機関に加え、県医師会、県病院協会を通じて各医療機関にも伝え、周知徹底を図っている。

 一方、水際対策も強化されている。広島検疫所岡山空港出張所は5日、同空港に着陸する国際線機内で、感染を心配する乗客には申し出るよう求める放送をスタート。検疫ブースでは4日夜、日本語と韓国語のポスターを張り出し、同様の呼び掛けを始めた。

 旅行や出張で中東地域に行く人に対し、県健康推進課は「未殺菌の乳や生肉は避けた方が賢明。帰国して感染したかもしれないと思ったら病院に直接行かず、保健所に電話で相談してほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年06月06日 更新)

タグ: 健康医療・話題感染症

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