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中皮腫 遺伝子変化で早期発見 岡山労災病院・アスベスト研究センター 診断方法開発へ

 岡山労災病院(岡山市築港緑町)内のアスベスト関連疾患研究センターは八日、アスベスト(石綿)が原因とされる中皮腫について、特定の遺伝子の変化を目印に早期診断する方法の開発を進める、と発表した。

 同センターは、がんを抑える遺伝子が炭素や水素と結びつき、働かなくなる「メチル化」という現象に着目。中皮腫でもメチル化と発症が関係していると考えられていることから、メチル化する遺伝子を特定し、進行度合いなどを調べることで中皮腫を見つける方法を探る。

 岡山など全国の三十四労災病院の患者のうち、中皮腫や、じん肺の一つ「石綿肺」の患者や、中皮腫を発症してはいないがアスベスト吸入を示す「胸膜プラーク」がある人らから、胸水や血清を収集。解析装置を使って遺伝子を調べ、発症との関係を解明する。

 アスベストに起因する肺がんでも同様の研究を行い、二〇〇七年度中に結果をまとめる予定。

 中皮腫の治療は早い段階での手術が有効だが、これまでのレントゲンやCT(コンピューター断層撮影)による診断では早期発見が難しく、手遅れになることが多かった。

 センター長の岸本卓巳・同病院副院長は「病理検査なども組み合わせ、より早く発見、診断し救命率の向上につなげたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年09月09日 更新)

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