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医療、福祉の紛争解決 センター設置 岡山大法科大学院 予防研究や相談会

 岡山大法科大学院(岡山市津島中)は十月一日、医療や福祉分野で、紛争の予防に向けた研究や解決に取り組む「医療・福祉リーガルリスク予防研究センター」を設置する。既存の専門家ネットワークを生かしながら、裁判になる前に迅速な処理を図る。将来は、国のADR(裁判外紛争解決)機関の認証を目指す。

 岡山大法科大学院が教育の重点分野とする医療・福祉分野は、トラブルが年々増加。裁判などに発展すれば、精神的、金銭的な負担が大きくなることから、早い段階の対応が必要と判断した。

 センターのスタッフは、医師や弁護士、社会福祉士らで昨年十一月設立した「同大学院専門家ネットワーク」の会員(約四十人)や大学院の教員ら。当面、解決に向けた各地の取り組みを調査・研究し、予防の理論やノウハウを蓄積するほか、定期的な相談会を開く。

 将来は相談やトラブル解決支援を本格化させ、実例を大学院生の教育にも役立てる。医療機関、福祉事業所で予防のための研修も計画している。

 国は、司法制度改革の一環として、近くADR機関の認証を始める方針。センターは今後、取り扱い分野を相続や不動産売買などにも広げ、〇八年度中の申請を目指す。

 紛争解決に当たるNPO(民間非営利団体)などはこれまでにもあるが、同大学院は「センターは当事者の一方に偏らない中立性に重点を置く上、ネットワークの人材を生かし、医療や福祉から派生する幅広い問題に対応できるのが強み」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年09月30日 更新)

タグ: 医療・話題

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