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「無医島」高島に待望の診療所 笠岡市 月2回 医師を派遣

高島(地図)

笠岡市が診療所を開設する高島の定期船待合所

 笠岡市は十一月十三日から、笠岡諸島の高島に診療所を開設する。大飛島に近接する小飛島を除く六つの有人島で唯一、身近に利用できる診療所がなかったため。月に二回の診療ではあるが、これで「無医島」の状態は解消され、笠岡諸島の医療体制が整うことになる。

 診療所は定期船待合所の一室(約三十平方メートル)を活用。笠岡市民病院に運営委託し、毎月二回、月曜日に医師を派遣、市の看護師一人も同行する。診察時間は午前九時~正午。診察台や血圧計など備え、慢性疾患の治療や投薬指導を中心に行う。整備費は約百五十万円。委託料は月十万円程度になる見込み。

 高島の人口は百三十四人(八月末現在)で、高齢化率53・7%。島民は、市が運航する患者輸送船で週二回(月、金曜日)、最寄りの白石島の診療所に通ったり、陸地部の病院に通院している。診療所開設後は、開院日には患者輸送船の運航を取りやめる方針。

 高島自治会の河田達夫会長(66)=同市高島=は「待望の開設。島に診療所があれば島外に足を運ばなくてすむうえ、交通費の負担も減る。高齢化が進む中、健康管理に役立てたい」と喜んでいる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年10月19日 更新)

タグ: 医療・話題

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