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発達障害児と親支援 保育士らが在り方探る 岡山で虐待防止フォーラム

発達障害児と親への支援策を考えた県児童虐待防止啓発フォーラム

 児童虐待防止推進月間(十一月)中の四日、岡山県児童虐待防止啓発フォーラム「これからの虐待防止を考える」(県、県教委主催)が岡山市駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれた。保育士や教諭、保健師ら約百五十人が参加し、虐待を受けるリスクが高いとされる発達障害児と家族への支援の在り方を探った。

 東京都児童相談センターの犬塚峰子治療指導課長(精神科医)による「発達障害と虐待」と題した講演では、虐待を受けた子どもと親の「再統合」に向けた家族の心理療法を紹介。これにより「親子の自信・信頼感の回復に加え、親は発達障害児の行動の特徴を理解し対応方法を学ぶなどの効果が期待できる」と説明した。

 この後、県内の児童相談所職員や小学校教諭、保護者、保健師ら五人がパネリストとなり「発達障害の理解からすすめる虐待予防」をテーマにシンポジウム。児童相談所職員は、県内の児童福祉施設の入所児(約七百人)の54%が虐待を受け、うち28%に軽度の発達障害があるとの調査結果を報告した。

 子どもの心身の発達に関する相談に取り組む保健師は「発達障害に気付くまで親は、子どもと自分を責めて苦しみ、それが虐待につながる恐れがある」と指摘。自閉症児の父親は「発達障害を治したい一心で心身ともに疲れ、わが子を床に投げつけたくなった。虐待寸前だった」と述べた。

 シンポジウムでは、早い時期に発達障害に周囲が気付き、関係機関がネットワークを組んで親子を支援していく重要性などが指摘された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年11月05日 更新)

タグ: 子供医療・話題

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