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脳卒中、搬送時に症状判定  川崎医大病院が表作成 迅速処置に効果

川崎医大病院と倉敷市消防局が連携し活用しているKPSSの判定表

 脳卒中患者を救急車で搬送する際、救急隊員が症状の程度を見極める判定表を川崎医大病院(倉敷市松島)が作成。同市消防局と連携して活用し、効果を上げている。判定を基に医療機関での受け入れ態勢を整え、迅速な処置につなげる仕組み。モデルケースとして全国に広がる動きを見せている。

 判定表は「倉敷プレホスピタル脳卒中スケール(KPSS)」。患者の名前を聞いたり、目を閉じて手足を動かしてもらうことで意識水準やまひの状態、言語反応をチェック、〇―十三点で症状の軽重を診断する。二〇〇五年五月に導入し、脳梗塞(こうそく)やくも膜下出血など年間約六百五十件ある脳卒中の救急搬送時に利用。救急隊員が二分程度で症状の軽重を判定できるため、搬送先の選定や医療機関の受け入れ態勢づくりがしやすくなったという。

 判定表作成に当たった同病院脳卒中センターでは、医師と救急隊員が直接電話でやりとりできる二十四時間ホットラインも設置。同センターの木村和美教授は「救急隊員と医師がすぐに情報交換でき、時間のロスが大幅に省け、意思疎通もスムーズ」とし、「倉敷方式として全国的に注目され始めており、数年後には各地で採り入れられるのでは」と話す。

 市消防局警防課は「脳卒中は一刻を争うケースが多い。今後も救急隊員のKPSS運用レベル向上を図りたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年12月25日 更新)

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