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山海氏、重介護ゼロ社会へ挑戦 都内でロボットスーツHAL語る

日本記者クラブで会見する山海氏

 筑波大発のベンチャー企業サイバーダイン社長で、同大大学院教授の山海嘉之氏(岡山市出身)が22日、日本記者クラブで会見。医療や介護の現場で体に装着して使う同社開発のロボットスーツHALについて「重介護ゼロの社会づくりへのチャレンジだ。少子高齢社会が直面する課題を解決する産業分野をつくりたい」と語った。

 HALは、筋肉が衰える難病患者の歩行機能を改善する医療機器として昨年11月に国内販売が承認され、4月から治療での使用に公的医療保険が適用される。

 福祉用は全国で約500台が稼働しており、今年は700から千台まで増やすことが目標という。今後の普及について山海氏は「社会保障制度の中で回り出したものは必要とする人がいる限り使われるため、指数関数的に伸びる」と見通した。

 医療産業ではドイツと米国が世界のトップを走っており「日本で生み出したイノベーション(技術革新)を日本で高く評価できなければ、世界を巻き込んだ産業にならない。戦略的な取り組みが必要」と強調。新産業創出に向けた人材育成には「大学院で育成プログラムを準備する方法があるが、一大学でなく、複数の大学で一つ持ってもいい」との考えを示した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年02月22日 更新)

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