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障害児者支援専門家養成へ 療育アカデミー今春開校 創立50周年の岡山・旭川荘 

 ことし創立50周年を迎えた社会福祉法人旭川荘(岡山市祇園地先)が今春、障害児者支援の専門家を養成する「療育アカデミー」を開校する。半世紀で蓄積した療育に関する知識、技術を教育現場などに還元。中でも、これまでケアが不十分だった発達障害児を支援する教員らの指導力向上を目指す。

 二〇〇五年の発達障害者支援法施行を受け、文部科学省は知的、身体障害に加え、発達障害を含めた「特別支援教育」の具体的なあり方を取りまとめ中。同省は「教員らをスキルアップさせる全国でも珍しい学校。開校を大いに歓迎したい」(特別支援教育課)としている。

 旭川荘の計画では、カリキュラムは基礎(百二十時限)、さらに上級の専門(九十時限)の二課程(定員各四十人)。いずれも幼小中高教員や保育士、障害児施設職員らが対象となる。

 講師陣は旭川荘を中心に厚生労働省、リハビリ施設などから招へい。障害児者の医療福祉の現状といった総論をはじめ、自閉症や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害や、外傷などによる高次脳機能傷害への理解を深め、障害児者の就労支援も学ぶ。同荘での実習も計画している。

 旭川荘は運営主体となる学校法人の設置を岡山県知事に申請しており、近く認可される見通し。教室は同荘に隣接し、一九九七年閉校の旧県立岡山養護学校旭川分校(鉄骨二階延べ約千七百平方メートル)を活用し、〇七年五月開校を目指す。

 同荘の仁木壮副理事長は「生涯にわたる障害児者支援は教育、福祉、就労の連携が必要。各分野の人材がアカデミーで机を並べれば、その端緒にもなると期待している」と話している。

 問い合わせは同荘開設準備室(086―275―0011)。


ズーム

 発達障害 対人関係や興味の持ち方が特異な自閉症、読み書きなど特定分野の習得が難しいLD、集中することが困難なADHDなどの総称。文科省によると、小中学生の約6・3%を占めるとされる。発達障害者支援法は国と地方自治体に発達障害の子どもや親への支援を義務付けた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年01月03日 更新)

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