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化学物質過敏症 患者支援団体を設立  あす高梁の真野さんら 経験基に電話相談 パネル展示、食品販売も計画

化学物質を除去した生活用品などの販売準備に取り組む真野さん

 生活環境中に存在する微量の化学物質に反応し体調を崩す「化学物質過敏症」患者の真野仁実さん(39)=高梁市成羽町吹屋=らが25日、患者の支援団体を設立する。大阪から移住し、転地療法に取り組む真野さん一家の経験を基に電話相談などを実施。理解されにくい病気に関する情報発信を目指す。

 真野さんは吹屋小三年の長男航平君(9つ)、二男純平君(5つ)と三人暮らし。吹屋地区の国重要伝統的建造物群保存地区の一角にある空き家を自然素材を使って改装し、昨年四月に移住した。三人とも、大阪で暮らしていたころに悩まされた不眠症や引き付けなどの症状が次第に和らぎ、「車の通行量が少なく、排ガスなどの原因物質も少ないためでは」と話す。

 支援団体は「吹屋 子どもと自然を守る会」。真野さんが代表を務め、高梁市や大阪府内の患者、支援者、建築士ら十人が会員登録する予定。二十五日から真野さん宅で始める無料の電話相談では、化学物質を減らす住環境づくりなどを助言する。

 四月には自宅倉庫の一部を改装し、治療法などを紹介するパネルを展示。化学物質を含まない生活用品や食品を販売する。ホームページによる情報発信や、吹屋地区に療養・宿泊施設を建設することも検討している。

 二〇〇〇年に国立公衆衛生院(当時)が行った調査によると、化学物質過敏症の潜在的な患者数は推計で約七十万人。全国で患者の支援団体は約十団体あり、近年増えつつあるという。

 真野さんは「家に閉じこもり、普通の生活ができずに悩んでいる患者は大勢いるはず。関係機関に協力を呼び掛け、支援の輪を広げたい」と話している。問い合わせは真野さん(0866(29)3777)。


ズーム

 化学物質過敏症 建材や洗剤、印刷物のインクなどに含まれるごく微量の原因物質により、不眠や吐き気、頭痛などさまざまな症状を引き起こすといわれる。原因が特定されておらず、症状は個人差が著しい。生活環境中に存在する有害化学物質を体内に大量に取り入れた場合などに発症する可能性が指摘されている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年02月24日 更新)

タグ: 健康福祉子供医療・話題

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