生活環境中に存在するごく微量の化学物質に反応し体調を崩す「化学物質過敏症」患者の真野仁実さん（３９）＝高梁市成羽町吹屋＝らが二十五日、患者の支援団体「吹屋　子どもと自然を守る会」を設立した。大阪から移住し転地療法に取り組む真野さんを中心に、病気に関する情報発信に取り組む。

　成羽公民館吹屋分館（同所）で開かれた設立総会には、会員ら九人が出席。代表理事に選ばれた真野さんが「力を合わせ、病気に悩む患者の支援に取り組もう」とあいさつ。事業計画が承認された。

　同市や大阪府内の患者、支援者ら十人が会員登録。真野さんが平日の午後二時～四時、自宅で電話相談に対応する。四月には自宅倉庫の一部を改装、治療法など紹介するパネル展示や化学物質を含まない生活用品を販売する。患者を対象とした療養・宿泊施設の建設構想もある。

　真野さんは吹屋小三年の長男航平君（９つ）、二男純平君（５つ）と三人暮らし。全員が化学物質過敏症のため、吹屋の国重要伝統的建造物群保存地区にある空き家を自然素材で改装、昨年四月に大阪から移った。今では三人とも不眠症や引き付けなどの症状が緩和。こうした経験を他の患者の参考にしてもらおうと、昨夏から会の設立準備を進めていた。

　問い合わせは真野さん（０８６６(29)３７７７）。