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福山市民病院産婦人科休診 安全な出産に不安の声  地元開業医ら月内緊急会合 今後の対応協議

記者会見する羽田市長(右)と浮田院長

 四月から産婦人科が休診となる福山市民病院(同市蔵王町)。県東部唯一の三次救急施設として、命の危険を伴う出産を担ってきただけに、市の方針が明らかになった七日、地元開業医や医師会からは不安の声が上がった。福山府中地域保健対策協議会は、緊急会合を今月中に予定。妊婦の救急医療体制を今後どう担保するか、喫緊の課題だ。

 福山市周辺では、これまで出産に伴い母体に危険がある場合は市民病院、胎児に危険がある際は新生児集中治療室(NICU)を備えた国立病院機構福山医療センター(同市沖野上町)へ主に搬送されてきた。

 四月以降は、医療センターが一手に引き受けることになるが、小池病院(同市明治町)の小池秀爾院長は「麻酔科の充実など救急体制が整っていた市民病院のように常に受け入れてもらえるのか不安もある」と危機感を訴える。

 開業医らでつくる同協議会は、今月中旬に緊急会合を開く予定で、今後の対応を協議する。

 福山市医師会によると、市内のお産の八割以上は十数カ所の民間病院が担い、出産そのものに市民病院産婦人科の休診の影響は少ないという。ただ、細木宣男会長は「市民病院へ妊婦の救急搬送ができなくなることは大変な事態。病院同士で緊密に連携を取りながら、地域全体で安全なお産ができる体制を整えたい」と話している。


市長会見 早期再開目指す 岡山大などへ働き掛け

 羽田皓市長は七日の市議会本会議冒頭、四月から市民病院産婦人科の休診を説明後、市役所で浮田実院長らと記者会見。早期再開を目指し、岡山大などへ医師確保の働き掛けを続ける考えを強調した。

 浮田院長は「全国的な産婦人科医不足を受け、岡山大が(福山地域に派遣している医師を)集約する際、市民病院の優先順位が低いと判断された」と厳しい表情。大量出血など妊婦の緊急時に救命救急センター機能を持つ市民病院の役割の重要性をあらためて訴えた。羽田市長も「市民の安心安全へ、福山圏域で重篤患者へ対応できるのは市民病院との思いもある。医師の配置を引き続きお願いしたい」と話した。

 市議会代表質問でも、早期再開の要望や病院全体の将来像検討を求める質問が出た。

 羽田市長は、助産師らの職員は病院勤務を続けさせる考えを述べたほか、国の医療制度改革や同病院の地域拠点機能強化などを受け、今後の運営方針を示す中長期計画の策定を始める方針も示した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月08日 更新)

タグ: 医療・話題

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