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福山市民病院 産婦人科休診へ 岡山大医学部 派遣医引き揚げ

 福山市民病院(同市蔵王町)に岡山大医学部(岡山市鹿田町)から派遣されている産婦人科医が三月末で引き揚げることになり、福山市は七日、同病院産婦人科を四月から休診することを明らかにした。重篤患者を受け入れる三次救急施設で産婦人科が休診となるのは全国的にも異例。

 同科の医師は、同大の派遣医二人のみで、引き揚げ後は医師不在となる。現在入院、通院している妊婦らには近隣の病院を紹介する。二〇〇五年度は外来延べ約六千人、出産百六件。

 同病院は広島県東部で唯一の三次救急施設。〇五年四月に救命救急センターを開設以来、〇六年十二月末までに妊婦の緊急搬送が二十三件あった。四月以降は国立病院機構福山医療センター(同市沖野上町)が中心となり受け入れる。

 市などによると、同大は医局の医師不足や、市民病院の出産数が同大から産婦人科医の派遣を受けている福山市の他の二病院に比べ少ないことを理由に、〇四年一月に派遣中止を通告してきた。

 市は今年二月に羽田皓市長が同大を訪れたり、医療関係者を交えた同大との会合を開くなど派遣継続を要望してきたが、今月六日に引き揚げ決定の連絡があった。

 同大産婦人科の平松祐司教授は「三年前から通告しており、岡山大も医師不足でやむを得ない」とし、羽田市長は「産婦人科の救急医療は極めて重要。医師会と連携し現場が混乱しないよう配慮するとともに、医師を確保して産婦人科の再開を目指したい」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月08日 更新)

タグ: 医療・話題

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