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高齢者虐待 53件の相談 昨年4―12月 福山市受け付け 暴力など身体的4割 発見遅れるケースも 早期利用呼び掛け

高齢者虐待の種類、主な虐待者(グラフ)

 高齢者虐待防止法に基づき福山市が昨年四月から地域包括支援センターで始めた虐待相談に、昨年十二月末までに五十三件の相談が寄せられている。暴力など身体的虐待が四割を占めるが、同市は「数字は氷山の一角。特に経済的、心理的虐待や介護放棄は表面的には分からず、発見が遅れる可能性もある」とし、早めの相談を呼び掛けている。

 高齢者虐待の相談は、市内に二十二カ所ある地域包括支援センターを窓口に受け付け。市介護予防課によると、相談は昨年四―十二月に男性九件、女性四十四件が寄せられた。高齢者がデイサービスなどで利用している施設側があざなどを見つけて相談するケースが最も多く、虐待を受けている本人、民生委員、家族のほか、訪問しているホームヘルパーからの連絡もあった。

 虐待の種類は、たたく、殴るなど「身体的」が41%を占め、言葉の暴力を受ける「心理的」が21%と続いた。施設入所中に年金を無断使用するなど「経済的」と「介護・世話の放棄」がいずれも19%だった。

 主な虐待者は息子が30%と最も多く、配偶者21%、孫15%、息子の配偶者と娘が各12%―の順。

 市や同センターは虐待者らへ注意するとともに、在宅サービスの利用や施設への入所を促すなどの対応をとったという。

 福山市では生命にかかわるような重大な事例はなかったが、広島市の寝たきりの男性が家族から介護を放棄され死亡するなど深刻な事態に発展することもある。同課の佐藤慎一郎課長は「高齢者の虐待は発見されにくく、繰り返されることも多い」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月14日 更新)

タグ: 高齢者福祉医療・話題

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