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協力者減少、条件厳しく… 「400ミリリットル献血」足りません 香川県赤十字血液センター 必要性を訴え

400ミリリットル献血に協力する献血者=高松市南新町の献血ルーム「オリーブ」

 輸血で副作用の起きる危険性が低い「四百ミリリットル献血」の確保に、香川県赤十字血液センター(高松市郷東町)が苦慮している。医療機関が必要とする量に満たない状態が続いており、不足分を二百ミリリットル献血で補っているのが現状。四百ミリリットル献血をするための条件が厳しくなっていることや献血者の減少が主な理由で、同センターは、献血会場などで盛んに協力を呼び掛けている。

 血液は型が同じでも人によって微妙に違い、輸血の際に複数の献血者の血液を合わせるほど発熱や発疹(ほっしん)などの副作用が起きる可能性が高まる。このため、二百ミリリットル献血に比べ、四百ミリリットル献血で得られた血液の方が安全性が高いとして医療機関のニーズは高い。

 県赤十字血液センターの調査では二〇〇六年十―十二月の三カ月間で、県内の医療機関から発注があった四百ミリリットル血液は三千六十本。これに対し献血で確保できたのは、二千九百七十本。不足分の九十本分は、二百ミリリットル血液でカバーした。

 四百ミリリットルの不足には、献血条件を満たせない人が多いことが背景にある。二百ミリリットル献血は十六歳からできるのに対し、四百ミリリットル献血は十八歳以上。また、血中のヘモグロビン量も二百ミリリットルより多いことが条件となっており、男性に比べ血中濃度の低い女性が献血できないケースが多いという。

 献血離れも影響している。献血者数は全国的に減少傾向にあり、県内でも一九九二年度の八万六千百二十八人をピークに、年々減少。二〇〇五年度は、四万三千三百四人とほぼ半減。特に最近は、若者の減少が著しく、十代と二十代の献血者は二〇〇〇年から〇五年の間で、約七千六百人も減った。

 こうした状況を受け、同センターは、四百ミリリットル献血のPRに力を入れる。献血ルーム「オリーブ」(高松市南新町)では、二百ミリリットル献血を申し込む人に、スタッフがパンフレットを示しながら、四百ミリリットルの必要性を説明し、協力を要請している。高松市福岡町の川田拓矢さん(19)も説明を受け、「輸血の安全性が向上するなら、できる限り協力したい」と四百ミリリットルに切り替えたという。

 同センターの野崎正範渉外課長は「一回の量が多い四百ミリリットルに抵抗を持つ人が多いが、献血の前には医師の問診もあり、支障を来すことはない。さらに、献血者の減少が進むと、献血制度の根幹を揺るがす事態にもなりかねない。若い人たちに献血の経験を積み重ねてもらいたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年03月17日 更新)

タグ: 医療・話題

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