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若者よ献血を 10、20代「針 痛くて嫌」「知らない」… 4年前より1万人減 06年度岡山県内調査

県赤十字血液センターで献血する大学生。血液不足解消には若者の一層の協力が求められる

県内の10代、20代の献血者数の推移(グラフ)

 岡山県内で10代、20代の若者の献血離れが深刻だ。県赤十字血液センター(岡山市いずみ町)のまとめでは、2006年度の若者の献血者数(速報値)は約2万5千人と、4年前に比べ約1万人減少した。少子化の進展に伴い、血液の需給バランスへの影響が心配されており、同センターは危機感を強めている。

 まとめによると、ここ十年間でみた若者の献血者は一九九八年度(四万千十三人)、二〇〇二年度(三万四千七百十四人)を除き、いずれも前年を割り込み、〇五年度には二万人台へ。〇六年度(二万五千百六十人)は一九九八年度の約六割にとどまった。

 全献血者に占める若者の割合も減少の一途。一九九八年度には40・3%だったが、〇六年度には30%と約10ポイントも落ち込んだ。

 若者の献血者減は岡山県に限らず全国的な傾向で、大きな課題となっている。十六―二十九歳の献血未経験者五千人を対象に「献血しない理由」を尋ねた〇六年の厚生労働省の意識調査(複数回答)では、約三割が「針を刺すのが痛くて嫌」と回答。さらに、四人に一人は献血について「知らない」と答えている。

 同センターは献血者を増やそうと〇五年度から、小学生と保護者を対象とした見学会を開催。県内の医療系大学生、専門学校生らでつくる「県学生献血推進連盟」も毎年、若者への献血協力を呼び掛けるキャンペーンを展開しているが、献血者減に歯止めが掛かっていないのが現状。

 岡田幸二・同センター企画課長は「献血自体を知らない若者が増えていることに加え、助け合い意識の希薄化も原因では」と推測。「『自分の血液で苦しんでいる人が助かる』という喜びを感じてもらうことが大切。今後も献血の大切さを訴えていきたい」としている。

 県内の血液在庫は十一日現在、すべての血液型で適正量を下回り、危機的状況が続いている。問い合わせは同センター(086―255―1211)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月12日 更新)

タグ: 医療・話題

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