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人工関節を自社成形 ナカシマプロペラ設備導入 2年後めど オーダー製品に活用

ナカシマプロペラが導入した人工関節の成形設備

 ナカシマプロペラ(岡山市上道北方)は、医療用の人工関節の成形設備を導入した。従来に比べて複雑な加工が可能で、オーダーメード型の製品づくりなどに活用する。実証試験を経て二年後をめどに使用を始める。

 人工関節は、リウマチ性疾患などの患者のひざ関節や股(こ)関節などに埋め込む。同社は成形工程をすべて外注しており、型枠に入れた金属に圧力を加えてつくる鍛造と、型枠に溶かした金属を流し込む鋳造の二種類で加工していた。

 新設備は、チタンなどの金属粉末の塊に一四〇〇~二〇〇〇度の電子ビームを当て、熱で溶かしながら固めて成形していく。金属粉末は五十マイクロメートル(マイクロは百万分の一)という超微細なサイズで、加工時の誤差は〇・五ミリ以内と精度が高く、複雑な形状にも対応できるという。高さ二メートル、幅一・七メートル、奥行き一メートル。投資額は約八千万円。

 ナカシマプロペラは船舶用プロペラの高精度加工技術を用いて一九九三年、人工関節製造に本格参入。全体の約一割に当たる年間約二十億円の売り上げがある。

 同社は「新設備を活用すれば、従来は手間がかかっていたオーダーメード製品が容易に製造できる。新商品の開発などにも役立てたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年04月14日 更新)

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