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療養病床削減で再編成 岡山県 整備構想策定に着手

国が2011年度末までに大幅削減する方針を決めている療養病床=岡山市内の病院

 岡山県は四月から、国が二〇一一年度末までに大幅削減する方針を決めている療養病床を再編成する「地域ケア整備構想」の策定に着手した。国が六月までに示す指針を待ち、作業を本格化させ、今秋の策定を目指す。

 療養病床の入院患者が行き場を失うことを懸念して混乱することがないよう、受け皿を明確にしておくのが狙い。

 構想では、療養病床の現状を把握したうえで、今後三十年間の高齢者の介護サービス需要見通しなどを明らかにし、療養病床が別の形態に転換した場合のサービス量見込みや、転換への支援策などを盛り込む予定だ。

 国の方針では、慢性病などを抱えた高齢者が長期入院する療養病床三十八万床(〇五年度末)のうち、介護保険を使う介護型十三万床は全廃、医療保険の医療型二十五万床も十五万床程度に削減する。医療の必要度が低いにもかかわらず家庭の事情などで入院している患者を減らし、医療費を抑制する狙いがある。

 〇五年度末の県内療養病床は計六千二百七十九床。今年二月一日現在では、医療型四千四百六十七床、介護型千四百四十四床の計五千九百十一床にまで減っているが、国の削減幅に合わせた場合、二千五百床程度に再編しなければならない。

 国は、廃止する病床の転換先について、現時点では老人保健施設やケアハウスなどを想定している。


ズーム

 療養病床 医療機関の病床(ベッド)は、病気の種類により一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床に分かれる。療養病床は、慢性の病気を抱え、長期療養が必要な患者が対象。介護保険型と医療保険型に分けられるが、提供されるサービスに大差はない。医療の必要性がないのに家庭の事情などで入院している患者が多いとの指摘があり、2006年の医療制度改革で大幅削減が決まった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年05月03日 更新)

タグ: 介護高齢者医療・話題

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