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風疹無料抗体検査の利用低迷 県、岡山、倉敷市が実施

 妊娠初期の風疹感染で胎児に障害が残る先天性風疹症候群(CRS)根絶を狙いに、岡山県と岡山、倉敷市が実施する無料抗体検査の利用が低迷している。今年4~6月の受診者は計540人。2014、15年度の年間4千人前後を大幅に下回るペースだ。県などは19、20日に岡山大医学部(岡山市北区鹿田町)で開かれる啓発キャンペーンで受診を呼び掛ける。

 県健康推進課などによると、風疹の予防接種は1995年度に集団接種から任意の個別接種に切り替わった。女性は大半が妊娠を前に接種する半面、男性は受ける人が少なく20~40代を中心に抗体を持たない人が目立つという。15年の県内の発症者はゼロだったが、全国的に流行した13年は76人に上った。

 検査は県と2市が妊娠を希望する女性や家族らを対象に抗体があるかどうかを調べてもらおうと、14年度から費用を予算化。16年度は約3600人分、計2300万円を計上している。同課は「罹患(りかん)歴や予防接種を受けたか不明の場合、まず抗体検査を受けて」としている。

 キャンペーン(岡山大大学院保健学研究科主催)は、同大医学部臨床第一講義室で開催。19日は午後1時から、医師らが風疹流行やCRSについて講演した後、患者会「風疹をなくそうの会 hand in hand」のメンバーが「CRSの子どもへの理解」と題して話す。無料。

 20日は午前9時半から県の担当者が検査を紹介。妊娠、出産などをテーマにしたドキュメンタリー映画「うまれる」の上映(鑑賞料500円)もある。

 問い合わせは同研究科中塚研究室(086―235―6538)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年08月16日 更新)

タグ: 女性医療・話題感染症

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