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<解説>診療報酬請求ミス ずさん事務に疑問 透明化へ自助努力必要

 岡山県内の医科・歯科・薬局が過剰に受け取っていた診療報酬が、五年間の判明分だけで七億八千万円もあった。なぜ、ずさんな診療報酬請求がまかり通るのか釈然とせず、保険診療の適正化が急がれる。

 健康保険組合の赤字が深刻化する中、医療費の抑制は国の大きな課題だが、県内の診療報酬返還額は、毎年増減を繰り返している。

 指導や監査を受けた医療機関は、ほとんどが診療所で、過大請求の大半は事務手続きのミスとみられる。中には、必要な治療を行ったにもかかわらず、保険適用外として返還を求められたケースもあるとされる。

 ただ、現行制度では、悪質として保険医療機関の指定が取り消されない限り医療機関名が公表されることはなく、罰則もないことが、不正が後を絶たない背景にあるのかもしれない。

 いずれにしても、診療報酬の過大な支払いは、国民への負担増という形ではね返る。実際の診療や投薬と異なる内容の請求をなくし、医療の透明化を進めるためには、医療機関の自助努力が必要だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年06月23日 更新)

タグ: 医療・話題

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