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関東ではしか猛威 予防接種 予約相次ぐ 岡山県内医療機関 ワクチン不足懸念 各大学も注意呼び掛け

関東地方の麻疹流行を受け、予防接種を受けにきた市民=岡山市民病院

 関東地方の大学を中心に猛威を振るう麻疹(ましん)(はしか)。岡山県内では今年、成人(15歳以上)3人と子ども(15歳未満)6人の感染が確認されているが、このところ医療機関で予防接種の予約が相次ぎ、ワクチン不足への懸念が広がる一方、各大学ではまん延防止に向けた注意の呼び掛けが強まっている。

 「もしものことを考えて予防接種を受けた。感染したら本人はもちろん、家族も困る」。岡山市民病院(同市天瀬)で中学三年の娘(15)の予防接種に訪れた母親(48)は、ひとまず安どの表情を浮かべた。

 同病院では、今月中旬から予防接種を受ける成人が増加。これまで麻疹患者に接触する看護師ら病院関係者を除く成人の接種は「ほとんどなかった」(小児科)が、感染拡大を視野にワクチンを通常より多めに注文し保管しているという。

 川崎医科大付属病院(倉敷市松島)でも予防接種の予約が「例年の倍以上」となり、今週は予約でいっぱい。ワクチンは関東での大量消費で入手が難しくなっており、「もし岡山で流行したら対応できない」と危機感を強める。

 麻疹はウイルス性の感染症。罹患(りかん)すると発熱やせきなど風邪のような症状が三日ほど続いた後、口の中に白い斑点ができ、四〇度前後の高熱とともに、全身に赤い発疹が出る。

 国立感染症研究所感染症情報センターによると、患者の多くはワクチンを接種していない一歳前後の乳幼児だが、今年は子どものころ予防接種を受けた後、長年罹患せず、免疫力が低下した成人の感染が目立ち、中でも十代、二十代が急増しているという。

 関東では早稲田、上智大などが休講に追い込まれるなど被害が拡大。県内の各大学では集団感染は報告されていないが、警戒の動きが広がる。

 今月二十一日に麻疹に感染した学生一人が確認されたノートルダム清心女子大(岡山市伊福町)はうがい、手洗いの励行といった予防策を記した文書を配布、学生への注意を促している。岡山大(同市津島中)や県立大(総社市窪木)でも掲示板でまん延防止を呼び掛けている。

 岡山市民病院小児科の小野博通医師は「麻疹の流行は夏に向けてが本番。予防接種を受けるのが一番だが、小児の分が足りなくなっては困る。感染力が強いので、患者に近づかないよう心掛けてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年05月25日 更新)

タグ: 健康子供医療・話題感染症

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