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結核新規患者で高齢者割合増える 15年県内、70代以上が69%

 岡山県内で結核の新規患者に占める高齢者の割合が年々増えている。2011~15年の5年間でみると、70代以上の割合は15年に69・78%と、11年に比べて10ポイント近く増えた。県によると、かつての流行期に感染した人が加齢に伴う免疫力の低下で発症するケースが多いといい、異常を感じた場合の早めの受診を呼び掛けている。30日まで結核予防週間―。

 県健康推進課の統計によると、年代別にみた11~15年の新規患者は、各年とも70代から急激に増え、80代が最多。全体に占める70代以上の割合は11年60・45%(188人)12年61・83%(175人)13年62・06%(144人)14年66・92%(170人)と年を追うごとに大きくなり、15年(164人)で全体の約7割に達した。

 全体の新規患者数は年々減少傾向にあり、15年は235人。11年(311人)の4分の3に減り、544人に上った00年に比べると半減しているだけに、高齢世代の罹患(りかん)状況の深刻さが際立つ格好となっている。

 戦前から終戦直後にまん延し「国民病」ともいわれた結核。発病した人のせきなどで空気中に飛び散った結核菌を吸い込み、感染する。薬を服用すれば6カ月程度で治る病気となったが、治療を怠れば重症化し、県によると14年は県内で31人が命を落とした。

 せきやたん、微熱など結核の初期症状は風邪に似ているとされ、県健康推進課は「過去の病気と考えるのではなく、気になる症状があれば早めの受診を。特に高齢者は倦怠(けんたい)感が続いたり、急に痩せたりしたら注意が必要」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年09月25日 更新)

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