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車いす利用者用ズボン ファスナー股下まで 倉敷スクールタイガー縫製開発 素材や色選んでオーダー

倉敷スクールタイガー縫製が開発した車いす利用者向けズボン

 学生服製造の倉敷スクールタイガー縫製(倉敷市玉島勇崎)は、車いす利用者向けのズボンを開発した。「着替えにくい」「おしゃれな服がない」といった既製服への不満の声を商品開発に反映。ファスナーが股(また)下まで開くなどの工夫を凝らしており、イージーオーダーで体に合った商品を提供する。

 綿や麻、ウール、ポリエステルといった素材を使用。腰回りは伸縮するようゴムを取り入れ、フロントの留め金部分には面ファスナーを採用した。座ったときのフィット感を高めるよう背に当たる部分を通常より長めにしているほか、生地の厚みで床擦れの原因になるポケットはイミテーションにしている。

 男女別にそれぞれチノパンとスラックスがあり、男性五、女性二の計七つのデザインの中から好みの素材や色を選ぶ。足を太く見せるパッドや手の不自由な人向けにファスナーの持ち手を大きくするといったオプションもある。基本価格はチノパン七千二百四十五円、スラックス九千六百六十円。五月末から郵送やファクスで注文を受け付けており、十日程度で納品する。商品名は花の名前にちなんだ「プリムラカラー」。五年後に年間一億四千万円の売り上げを目指す。

 同社は大手学生服メーカー(大阪)の協力会社としてズボンなどを製造。学生服需要の減少をにらんだ新商品開発に向け、二〇〇六年十二月に岡山県の産学官連携組織「ハートフルビジネスおかやま」に参画。車いす利用者や福祉現場のスタッフなどの意見を聞いて商品化した。今後もデザインの種類を増やしたり、伸縮しやすい素材の活用といった改良を加えていく予定。

 吉井一成社長は「着心地がよくファッション性も高い製品を提供し、障害者らの社会参画を後押ししたい」と話している。

 倉敷スクールタイガー縫製は一九五九(昭和三十四)年創業、七一年設立。資本金四千万円。売上高二億五千万円(〇六年八月期)。従業員六十人(パート含む)。

ズーム

 ハートフルビジネスおかやま 1998年設立の岡山県福祉機器研究会と、2003年の旧ハートフルビジネスおかやまを一本化し、06年3月に発足。事務局は岡山県産業振興財団(岡山市芳賀)に置き、07年3月末で企業や大学の研究者、保健福祉団体、行政機関など118の個人・団体が参加している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年07月10日 更新)

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