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最新心肺蘇生法 普及へ講習会 岡山・いしま病院 津島医師ら 心臓マッサージのみ 難しい人工呼吸を省略

人形を使って心臓マッサージを行う津島医師

 人工呼吸を行わず、心臓マッサージだけで救命を目指す最新の心肺蘇生(そせい)法の普及に、いしま病院(岡山市伊島町)の津島義正医師(54)らが取り組んでいる。効果についての報告もあり、厚生労働省研究班は一般向けの手法の一つとして推奨。全国に先駆け、今年3月から月1回のペースで講習会を開き、市民への定着を図る。

 関係学会・機関が策定した日本の「救急蘇生法の指針」(二〇〇六年版)は、心臓に電気ショックを与える「自動体外式除細動器(AED)」が到着するまでの間、居合わせた人が人工呼吸を二回した後、心臓マッサージ三十回と人工呼吸二回を繰り返し行うよう記している。

 ただ、人工呼吸は空気が漏れないようにする必要があるなど技術的に難しく、口対口のため、実際の現場で市民が行う際には抵抗感を持つケースも指摘される。

 こうした中、人工呼吸を省いた方が救命率が高くなるとの報告が近年、国内外の救急医や研究者から出され、現行指針にも、ためらわれたら人工呼吸を省けると明記されていることから、津島医師らは心臓マッサージだけを行う心肺蘇生法の普及を目指すことにした。

 講習会は参加無料で、毎月第三土曜日に心臓病センター榊原病院(岡山市丸の内)で実施。約一時間でスライドを用いた解説と、実際に人形を使った練習を行う。これまでに五十三人が受講した。

 津島医師は「人工呼吸のために覚えなければいけない項目は多く、省略できれば大変やりやすくなる。心臓突然死の約七割は心臓マッサージとAEDで助かる可能性があるので、ぜひ広めたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2007年08月03日 更新)

タグ: 健康医療・話題

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