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ポリフェノールの一種 低コスト生成技術開発 岡山理科大研究室

 岡山理科大の浜田博喜教授(生物化学)の研究室が、細胞の老化を防ぐ働きがあるとされるポリフェノールの一種「レスベラトロール」を、植物中に存在するのと近い状態で低コストで作り出せる方法を開発した。

 レスベラトロールはブドウや落花生などに含まれる抗酸化物質。天然ではブドウ糖と結びついた「配糖体」として存在するが、植物から抽出する過程で糖が切れる。糖のついた状態では水に溶けやすく、人体へ吸収されやすいとされる。

 研究では、ヤマゴボウやユーカリの一種から取り出した細胞を培養後、糖が切れた状態のレスベラトロール十ミリグラムを加えて二日間培養したところ、二ミリグラムのレスベラトロール配糖体(パイシード)に変換できた。臨床生命科学科四年大広あずささん(22)らが確認した。

 糖が切れたレスベラトロールは十ミリグラム数百円で市販され、培養細胞などの実費は六百円程度。試薬として販売されるパイシードは十ミリグラム五万―八万円程度といい、浜田博喜教授は「低コストでパイシードを量産できる可能性がある」としている。

 レスベラトロールは現在、サプリメントや化粧品に使われている。マウスを使った研究では肥満を抑える効果も報告されており、大広さんらは今後、パイシードの機能を追究する。


非常に有用

 須貝威慶応大准教授(有機合成化学)の話 パイシードに低コストで変換できる技術が開発されたことは非常に有用だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月22日 更新)

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