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発達障害児支援へ連携 親の会10団体が協議会 学習会や啓発 行政と協働も

連携協議会の活動の方向性について意見を交わすメンバー=16日

 自閉症やアスペルガー症候群など発達障害児・者を支える岡山県内の親の会が集まって「連携協議会」を設立し、今年には一団体を加えて十団体で活動を本格化させている。横のつながりを深め、情報交換や学習会開催といった取り組みを強めて障害に対する理解向上や支援体制の拡充を図る。発達障害児・者を支援する団体の連絡組織の発足は珍しいという。

 発達障害は、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など多岐にわたり、幼児期の早期発見・療育から就学、就労、家族への支援など一人一人の生涯を通じたサポート体制の充実が急務。二〇〇五年の発達障害者支援法施行で、地域での理解向上を目指す機運が高まる中、昨年五月に日本自閉症協会県支部などが参加を呼び掛け、同十一月に九団体で発足した。

 今年一月、設立を県に報告。さらに一団体が加わり、二月十六日に開いた定例会では、団体の代表らが今後の活動について意見を交わした。

 同協議会によると、啓発活動や定例会などのほか、行政への要望活動や行政との協働事業にも取り組む。代表幹事には日本自閉症協会県支部の備前信之副支部長が就任。県内の他の親の会にも加入を呼び掛けている。

 鳥羽美千子副代表幹事(NPO法人県自閉症児を育てる会代表)は「各団体の個性、活動を尊重しながらも、発達障害児・者の幸せという同じ目標に向かい、力を合わせたい」と話している。

 発起人の一人、岡山大教育学部の佐藤暁教授(障害児教育臨床)は「個別の団体で行政と掛け合うには限界もあった。親の会が悩みや課題を共有して取り組みを進め、行政には関係部局や関係機関との一層の連携を求めたい」としている。

 問い合わせは事務局の同協会県支部(086―801―4010)。同県支部と同育てる会を除く構成団体は次の通り。

 あけぼの会、県高機能広汎性発達障害児・者の親の会(アリスの会)、倉敷自閉症児・者家族会このゆびとーまれ、NPO法人ケセランパセラン、対話フレンズ、発達・学習研究会、ラヴミントの会、mother’s11
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年02月20日 更新)

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