文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 病床利用率 4自治体病院(岡山県内)2年連続7割未満 3年連続なら診療所格下げ 病床削減で改善

病床利用率 4自治体病院(岡山県内)2年連続7割未満 3年連続なら診療所格下げ 病床削減で改善

岡山県内19自治体病院の病床利用率(表)

4月からの診療所化が決まっている瀬戸市民病院牛窓分院

 岡山県内に19ある自治体病院で、病床利用率が2006年度までの2年連続で70%を割った病院が4カ所あることが分かった。国が昨年末に示した「公立病院改革ガイドライン」は、3年連続となった場合の診療所への格下げなどを求めており、状況によっては抜本的な改革を迫られる。ガイドラインの流れを先取りした動きも出ている。

 二年連続で割ったのは、金川病院(岡山市御津金川)、笠岡市民病院(笠岡市笠岡)、瀬戸内市民病院(瀬戸内市邑久町山田庄)、同病院牛窓分院(同市牛窓町牛窓)。ガイドラインは、病床利用率が〇五―〇七年度の三年連続で70%を下回った場合、病床数削減や診療所化といった見直しを要請している。

 このうち笠岡市民病院は、病床利用率が〇五年度に69・88%に落ち込み、〇六年度も61・77%だった。ただ、同市は昨年三月、効率運営を目指して経営健全化計画を策定しており、計画に沿って同七月に病床数を二百五十五床から百九十四床に削減したため、それ以降の利用率は75%を超えている。〇七年度トータルも70%を上回りそうという。

 瀬戸内市の二病院は〇四年度から三年連続で達成できていない。特に牛窓分院は落ち込みが激しく、本体の市民病院も三年平均が50%台にとどまる。同市は改善策として四月から入院機能を市民病院に絞り、牛窓分院を診療所とすることに決めている。

 病床数は計百六十二床から百十床になるが、患者一人当たりの看護師配置を増やすことができるため、診療報酬増につながるという。谷崎眞行病院事業管理者は「運営の効率化と質の確保を達成し、入院と救急という政策医療を維持したい」と話している。

 一方、金川病院は合併に伴う新市建設計画の中で「総合保健福祉施設」として整備されることが決まっているものの、詳細が煮詰まらないため「現時点で対策の取りようがない」とする。〇七年度の病床利用率も昨年十二月末現在で53・3%にとどまっており、岡山市病院局経営総務課は「70%到達は厳しい」とみる。

 同市はガイドラインを先取りする形で、〇六年度に68・41%となった市立せのお病院(同市妹尾)の病床を二月に七十五床から六十床へ削減した。これにより同月以降の利用率は80%台に回復する見込み。削減した病床の一部を利用率の高い市民病院(同市天瀬)に移管することで、市立病院全体の効率を高める狙いもある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年03月11日 更新)

タグ: 医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ