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退院可能な精神障害者 地域移行を支援 岡山県 外泊体験や推進員増強

岡山県が外泊体験事業を委託予定の「けんかれん・ゆう」の施設

 岡山県は、症状が安定しているにもかかわらず、社会的入院を余儀なくされている退院可能な精神障害者の地域移行を支援する。試験的に外泊体験ができる事業などを通し、生活の場をスムーズに地域へ移せるようサポート体制を強化する。

 障害者自立支援法(二〇〇六年四月施行)は、精神障害者が病院や施設から地域社会へ移行する目標を掲げているが、地域のケア体制不足や根強い偏見などから進展していないのが実情。県内の退院可能な精神障害者は約千三百人と推計されており、県は本年度中に二百六十人の移行を目指す。

 具体的には、精神障害者が入院したまま数日から数週間単位で外泊体験できる施設を設け、退院への不安解消を図る。NPO法人・岡山県精神障害者家族会連合会が運営する基幹型地域生活支援センター「けんかれん・ゆう」(岡山市内尾)に委託する予定で、本年度は五十人程度の利用を想定している。

 また地域移行後の再入院を防止するため、医師や精神保健福祉士でつくる地域支援チームを現行の二から三に増やす。退院可能な精神障害者に対してケアマネジメントを行う地域移行推進員も五人から十一人に増強する。地域社会の理解を深めるため、病院と地域の交流事業なども行う。

 県健康対策課は「精神障害者の社会進出を定着させるには総合的な支援体制が欠かせない。一二年度末までに対象者がすべて地域移行できる環境を整備したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月09日 更新)

タグ: 健康福祉医療・話題

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