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慢性腎臓病 早期発見へ連携組織 岡山の専門医とかかりつけ医 紹介基準づくりや勉強会

 新たな国民病ともいわれる「慢性腎臓病(CKD)」の早期発見・治療を図ろうと、岡山市内の専門医と地域のかかりつけ医が「OCKD―NET」を立ち上げ、連携を進めている。重症化し透析療法に至る前の段階でかかりつけ医から専門医へつなぐ狙いで、勉強会の開催や統一した紹介基準づくりなどに取り組む。

 慢性腎臓病は、腎機能の低下や尿タンパクを伴う糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎などの病名の総称。食生活の変化などを背景に潜在的な患者は相当数に上るとされる。初期の段階なら薬物や食事療法によって進行を防ぐことができる。

 岡山大病院(岡山市鹿田町)、岡山済生会総合病院(同市伊福町)、重井医学研究所付属病院(同市山田)など六病院の専門医九人が昨年四月から設立を準備。先進地事例について学ぶセミナーを開くとともに、岡山市医師会に提案、約七十人の医師の参加を取り付けた。今年七月には連携のあり方などの検討会を初めて開く。

 専門医の経歴や専門分野を記したプロフィルを既にかかりつけ医に配布。今後、専門医への紹介が必要な腎機能障害や検尿異常の基準を明確にして共通の紹介状を作ったり、定期的な勉強会、メールマガジンなどで情報交換する。専門医からかかりつけ医への紹介も図っていく。

 NET設立の中心となった岡山大病院腎臓・糖尿病・内分泌内科の槇野博史科長によると、岡山市内だけで紹介が必要な慢性腎臓病の患者は二万三千人という推計値がある一方、専門医は三十六人。CKDが新しい疾患概念であることに加え、紹介の基準が明確でないために対応が遅れる例も少なくないという。

 槇野科長は「連携により一人でも多く透析患者を減らしたい。岡山市内でモデルをつくり、将来は他市にも広げられるようにしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年04月10日 更新)

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