文字 

遠隔操作で患者撮影 画像システム開発 岡山大病院、高梁で実験

岡山大などが新たに開発した撮影システムによる実験=やすらぎ荘

 中山間地での遠隔医療実証実験を進めている岡山大病院総合患者支援センター(岡山市鹿田町)などが、遠隔操作で患者の静止画像を撮影するシステムを開発。一日、高梁市の診療所とグループホームを結んだ実験で、診断に必要な画質が得られることを確認した。

 同支援センターは二〇〇六年から川上診療所(同市川上町地頭)と連携、カメラ付き携帯電話から送られた患者の映像を治療方針の参考にする実験を進めている。診断に必要な高画質の静止画を得るため同大総合情報基盤センターなどと協力、超小型カメラを利用して医師らが遠隔操作で動画から精度の高い静止画を取り込むシステムを開発した。

 この日の実験は、同診療所とグループホーム・やすらぎ荘(同市備中町布賀)をテレビ電話会議システムで接続。診療所の看護師が、同荘女性入居者の皮膚や口の内部を撮影した。診療所の菅原英次所長は「健康状態が十分分かる画質。往診が必要か医師が判断したり、終末期の利用者がいる介護施設の支援に役立つ」と評価する。

 実証実験は総務省の採択を受け、産学官連携体制で〇六年度から〇八年度まで実施。研究代表者で同支援センターの岡田宏基・副センター長は「画像補正などの研究を進め、将来的には専用の携帯端末開発につなげたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年08月02日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ