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帯状疱疹 小豆島、豊島で疫学調査開始 阪大微生物病研など 予防薬開発へ3年間1.2万人超データ収集

 阪大微生物病研究会観音寺研究所(観音寺市)などは27日、香川県小豆島と豊島で、帯状 疱疹 ( ほうしん ) の疫学調査に乗り出した。発症率を高精度に算出するため、1万2000人以上に2011年秋までの3年間実施。予防薬開発に必要なデータを集める。

 疫学調査は、両島内の50歳以上の住民(約1万9000人)から、データの信頼性確保に必要な1万2000人以上を募る。毎月全員に電話調査を行い、痛みの有無を6段階で聞き取る。発症が疑われた場合は受診してもらい、発症率を割り出す。

 免疫検査として、協力者のうち7500―5000人にはあらかじめウイルスを接種。免疫反応の強弱から、発症との相関関係をみる。

 疫学調査は大阪大、奈良県立医科大、独立行政法人医薬基盤研究所と協力。長期の調査は住民の転出入が少ない地域での実施が必要なため、自治会が整い住民協力が得られやすい両島を選んだ。

 27日、小豆島町で疫学調査の立ち上げ式が行われ、自治会、医師会などの関係者ら約30人に対して、山西弘一・医薬基盤研究所理事長が調査概要を説明し協力を求めた。

意義は大きい

 皮膚科が専門で元・岡山大病院長の荒田次郎名誉教授(皮膚細菌感染症)の話 帯状疱疹はしつこい神経痛を抑えることが課題。正確なデータを集めて予防薬開発につなげようとする今回の疫学調査の意義は非常に大きい。

 帯状疱疹 水ぼうそうと同じウイルスが原因で、神経痛を伴う発疹が体に現れる。重症化すると痛みが激しい。患者の70―80%は50歳代以上。日本人の発症率は10万人当たり600人とされるが、欧米では130人というデータもあり、数値にばらつきがある。予防薬、痛みを根本的に抑える薬の開発が待たれている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年09月28日 更新)

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